トークンエコノミーを使ってみたいんだけど、どんな風にやったらいいのかわからない…やり方ってあるのかな?
子どものやる気をUPさせるために、トークンエコノミー(=ごほうび制度)は有効な手立てとして知られています。
男の子は、女の子よりも、目に見えるごほうびを欲しがる傾向にあります。
また、発達障害、特にADHDの子どもたちには、トークンエコノミーは有効だと言われているのです。
しかし、トークンエコノミーには、いくつかのルールや、注意点があります。
そこで今回は、トークンエコノミーの取り入れ方や、注意点についてまとめていきます。
Contents
トークンエコノミーって?

『○○が出来たら、○○してあげる』
『○○したら、○○を買ってあげる』
というように、目標を立てて取り組み、出来たらご褒美(=トークン)と交換できるという仕組みのことです。
スタンプや、シールが貼れる台紙を用意して、課題ができたらスタンプを押したり、シールを貼ったり、ポイントをあげます。
ポイントを集めると、好きな活動や物と交換できるシステムです。
療育現場でも広く使われているシステムなんだ!
トークンエコノミーの批判的な意見

子どものやる気を引き出すのに、絶大な効果のあるトークンエコノミーですが、育児書などでは批判的な意見も見られます。
- ご褒美を設定すると、ご褒美のために動くようになる
- 自ら考える力を奪ってしまう
ご褒美を与えると、反対にやる気を損なう(アンダーマイニング効果)という話もあります。
しかし、発達障害、特にADHDの子どもたちには、トークンエコノミーは有効だと言われているのです。
発達障害児にとってトークンエコノミーを行うメリットとは?

発達障害、特にADHDタイプの子は、長期的な利益のために我慢する「長期的な報酬系回路」が未熟だと言われています。
そのため、興味のあるものが目の前にあると、そちらを優先してしまう…という行動が起こりやすくなるのです。
息子も、まさしくそのタイプ…
しかし、トークンエコノミーを行うことで、以下のようなメリットがあります。
- 「できた!」が視覚的にわかりやすい
- 自己コントロールが育つ
- 目標と、目標までの見通しが立てやすい
達成するごとにシールを貼る(スタンプを押す)ことで、「できた!」が視覚的にわかりやすく、取り組みやすいメリットがあります。
シールやスタンプが埋まっていくことで、目標までの見通しが立ち、継続的に頑張ろうという意欲が生まれ、自己コントロールが育ちます。
すぐにはご褒美がなくても、見通しを持って頑張り、目標を達成する経験は、将来仕事に就き、給料を得るという、働くことをイメージすることにつながります。
労働って抽象的なイメージを、日常生活に落とし込むことで、自然と働くことへのイメージが出来てくる感じかな
脳は心地よい刺激があると、それを再度求める機能があります。
トークンエコノミーを続けることで、モチベーションが高まり、健全な方向に導ければいいですね。
トークンエコノミーの目標設定

トークンエコノミーの最終的な目標は、トークンがなくても、その行動ができるようになることです。
つまり、習慣化を目的とした目標にすれば、子どもに良い習慣をつけるきっかけになるということです。
目標設定の具体例を、良い例・悪い例と共にご紹介します。
毎日ワークを2ページやったらご褒美をあげる
テストで90点以上とったらご褒美をあげる
テストで90点以上とった場合にご褒美をあげると、ご褒美がないと勉強をしなくなってしまう恐れがあります。
しかし、勉強の習慣をつけるために、ワークを2ページやることにご褒美を設定すれば、違う結果になる可能性があります。
ワークをやる習慣ができれば、子どもはご褒美がなくても勉強するようになるのです。
もちろん、これは理想論!
子どもが望ましい行動をした時にご褒美をあげることで、望ましい行動を、より頻繁に行うようにすることが、行動療法の基本です。
トークンエコノミー実践編!注意点は?

実際に、トークンエコノミーを取り入れるにあたり、いくつかの注意点があります。
- 目標までの道のりは、適度な長さにする
- 達成しやすい目標にする
- 通過地点ご褒美を設ける
ひとつひとつ説明するよ!
①目標までの道のりは、適度な長さにする
道のりが遠いと、途中で飽きてしまって、やらなくなってしまう恐れがあります。
そのため、最初はシールやスタンプ5個。慣れてきたら10個…というように、短めに設定し、達成しやすくします。
②達成しやすい目標にする
目標が簡単すぎると、すぐに達成してしまいますが、逆に難しすぎると失敗ばかりを積み重ねてしまうので、意欲がなくなってしまいます。
「少し頑張れば達成できる」くらいの目標を設定すればいいでしょう。
もちろん、目標は「習慣化」を目的としたもので♪
③通過地点ご褒美を設ける
ゴールまでの道のりが短いものに慣れ、道のりを長く設定し直した場合でも、途中で「通過地点ご褒美」を設けると、意欲が持続します。
通過地点ご褒美は、ちょっとしたものでかまいません。
いつもより10分長くゲームができる、いつもより長くTVが見られるなどのご褒美で、モチベーションが長続きします。
ひとくちサイズのお菓子1個、2個でも、十分効果があるよ!
実例!我が家のトークンエコノミー
我が家でも、実際にトークンエコノミーをやってみています。
行っているのは、2種類。
ふたつの習慣化を目的としたもので、トークンエコノミーの台紙や方法も変えています。
習慣化の種類が違うから、台紙も別々の様式を用意したの
その① 日常生活の良い行動の習慣化を目的としたトークンエコノミー
我が家で実践しているトークンエコノミー。
その①は、「日常生活の良い行動の習慣化」を目的としたもので、1日の中で次の項目が出来ていた場合にシールを貼っていく方法を取っています。
- 帰ってきたら、すぐに手洗い・うがいをする
- 食べる前に手を洗う
- いただきますを言う
- ごちそうさまを言う
- ママに呼ばれたら、すぐにおふろかシャワーに入る

8日間(シール40個分)で、シールが35個集まれば、目標達成としています。
目標達成できたら、子どもが好きなおやつを、二つプレゼント♪
ひとくちで食べ切れる、アイスのピノか、蒟蒻ゼリーが定番♪
始めたばかりということもあり、目標設定はかなり低め。
すでに達成できていることも多いです。
様子を見て、慣れてきたら「自発的に」出来ることを目標としたいです。
今は、声掛けありで達成できているけど、言われないとできないの。習慣化するには、スモールステップで少しずつハードルをあげていこう!
今回に限り、達成した台紙を5枚集めると、特別なプレゼントがあると息子に伝えています。
息子が欲しいと言っているぬいぐるみがあるので、台紙5枚集めることを条件にしています。
その② 机に向かう習慣化を目的としたトークンエコノミー
我が家で実践している、トークンエコノミー。
その②は、「机に向かう習慣化」を目的としたトークンエコノミーです。
こちらは、我が家で前から行っています。
こどもちゃれんじや、市販のワークを1ページやったらシールが1枚貼れ、10枚たまったら、ひとくちサイズのお菓子二つと交換しています。

台紙は、ダイソーで購入したものを使用しています。
シンプルで、とっても使いやすい!

鉛筆は苦手ですが、ワークを解くのは苦痛でない息子は、これがきっかけでほぼ毎日やっています。
もちろん、ご褒美にお菓子が貰えるのが、とっても嬉しいようです♡
鉛筆は使わないと上達しないから、運筆力を上げるきっかけにもなって、一石二鳥!
1日3枚だけでいいから続けやすい!毎日の家庭学習には、七田式プリントがおススメ!

2歳から始めたこどもちゃれんじには、こどものやる気を刺激するしかけがいっぱいです♡


トークンエコノミーは、親自身がやっても育児のモチベーションUPになる!

トークンエコノミーは、望ましい行動を増やし、問題行動を減らすことに有効である、というお話でした。
また、トークンエコノミーは、親自身が行っても、育児のモチベーションUPに繋がります。
私も、子どもと一緒にトークンエコノミーをやってるよ!
- にっこり笑っておはようを言う
- 帰ってきたら、すぐに手洗い・うがいをする
- いただきますとごちそうさまを言う
- 子どもをぎゅっと抱きしめる
- 子どものいいところを言う
こんな項目で、実践中♪
部屋に貼って、子どもにもわかるようにしておくと、一緒にやっているという気持ちが生まれます。
子ども自身も、トークンエコノミーをやらされている感が減ると思うので、一石二鳥♪
ぜひ、子どもと一緒に楽しんで取り組んでみてくださいね♡