トイトレは完了したはずなのに、トイレの前や後、パンツにおしっこのシミがついてるのよね…
意外と多い、男の子の尿漏れ。
多くのママが、悩みを深めているのではないでしょうか?
めちゃ同感。息子も、必ずちょっぴり漏れてる!
そんな、幼児期の男の子の「あるある」問題。
この絵本が、爆笑に変えてくれます!
今回は、ヨシタケシンスケさんの『おしっこちょっぴりもれたろう』をご紹介します♡
Contents
『おしっこちょっぴりもれたろう』あらすじ
ぼく、おしっこちょっぴりもれたろう。
おしっこするまえかしたあとに、いつもちょっぴりもれちゃうから、いつもおかあさんにしかられる。
でも、ちょっぴりなんだからいいじゃないか。
ズボンはいたら、わかんないんだから。
ぼくみたいに、じつはもれたろうでこまっているひとは、ほかにもいるんじゃないかな?
もれたろうは、自分と同じ『おしっこちょっぴりもれたろう』を探しに行くことにしました。
もれたろうは、自分と同じ悩みを持っている子に、出会えるのかな?
『おしっこちょっぴりもれたろう』のおススメ3つ
もれたろうの独白で進んでいくストーリーは、もれたろうの発想の奇抜さに笑いを誘われます。
その上、ヨシタケシンスケさんの、ゆるーい絵が、更にくすっと笑えるのです。
そんな、『おしっこちょっぴりもれたろう』の、おススメポイントを3つ挙げます。
悩みを他人と共有したい!仲間意識や友達の芽生え
おしっこがちょっぴり漏れちゃうのは、自分だけじゃないはず!
そう思ったもれたろうは、同じ悩みを持つ人を探しに行きます。
悩みを共有しあいたいと願っているんですね。
他人と、気持ちを共感しあうことで、連帯感が生まれ、それは仲間意識・友情へと発展していくことでしょう。
つまり、
「その気持ち、わかるわかる!」
という共感は、友達への第一歩なのです。
なんとなくなっている『友達』って、共感が原点にあるんだって、気づかせてくれる!
共感する力が弱いとされる発達障害児にも、伝わりやすい内容なのではないでしょうか。
人それぞれ、抱えている悩みが違う
共感できる相手を探しに行った、もれたろう。
悩みがありそうな人を見つけては、「じつはちょっぴりもれたろう?」と聞いて回るのですが…
失礼すぎる!
悩みを打ち明けてくれた人たちは、
- 服についているタグがチクチクして気持ち悪い
- 直しても靴下がずれて気持ち悪い
- ほうれんそうが歯にはさまって取れない
など、もれたろうとは別の悩みを抱えているのでした。
どれも地味にイラっとする感じだわ。悩みのセンスが秀逸すぎる!
でも、そこでもれたろうは、「人それぞれ抱えている悩みが違うこと」と、「なんでもない顔をしている人でも悩みはある」ことに気がつきます。
そとからみたらわかんないけど、みんなそれぞれ、そのひとにしかわかんない、こまったことがあるんだな…
『おしっこちょっぴりもれたろう』より
「自分だけが悩んでいるわけじゃない」と知ったもれたろうは、ちょっと大人になったのかもしれませんね。
いつか笑い話になる。ママの心も軽くなる!
もれたろうの悩みは、ママの悩みでもあります。
この絵本でも、もれたろうのママは、憂鬱そうな微妙な顔をしています。
実際に、私は息子のちょっぴりもれたろう具合に悩んでいるよ…
もれたろうは、おしっこが漏れた時には、お母さんに怒られないよう、パンツが乾くまで出かけてしまいます。
バレないよう、隠蔽工作をする、こんな子どものズルい姿も、悩みのタネではないでしょうか。
この絵本は、「おもらし」というセンシティブな悩みと、子どもの狡さを描き切っている上に、全てを笑いへと昇華している点が素晴らしいです!
もれたろうの悩みも、ママの悩みも、いつかは笑い話になる。
当時を思い出して懐かしむ時が、きっとくる。
そう信じられて、心がすっと軽くなる絵本です。
ヨシタケシンスケさんについて
日常のさりげないひとコマを、独特の角度で切り取った作風が魅力の、ヨシタケシンスケさん。
デビュー作『りんごかもしれない』で第6回MOE絵本屋さん大賞を受賞して以来、刊行する絵本が軒並み話題となっています。
漫画的なタッチの絵柄は、一度見たら忘れられないくらい、インパクトがありますよね。
でも私は最初、絵があまりにマンガじみてて、子ども向けじゃない!って思っちゃった
自分で楽しむ分にはいいけど、いわゆる『良書』と呼ばれる絵本じゃないなって、子どもに読ませるのは避けていたんです。
でも、『良書』とは、いったいなんでしょうか。
どんな定義を持って、『良書』としているのでしょうか?
世の中にはいろいろな作風の絵本があって、どんな作風の絵本を好むかは、子ども次第。
子どもに「刺さる」絵本を与えることの方が大事だと、考えを改めました。
「刺さる」絵本を探したければ、あらゆるジャンルから、表現方法の異なる絵本を探し出してくるしかないよね!
ヨシタケシンスケさんの絵本を読んでみると、風刺やユーモアだけじゃない、哲学さえ感じさせる、非常に奥の深い絵本を描かれています。
「漫画的な絵」だからと敬遠していたら、出会えなかった絵本です。
実際、息子はこの絵本をかなり気に入っていたよ!
もし、お子さんが絵本をあまり好きじゃない…と感じるなら、ヨシタケシンスケさんの絵本をプレゼントしてみてはどうでしょう。
もしかしたら、「刺さる」絵本になるかもしれませんよ!
3,4歳向けに、私が図書館で絵本を借りる際の選び方とコツについて、記事にしました。

『おしっこちょっぴりもれたろう』絵本データ
- 作・絵 ヨシタケシンスケ
- 出版社 PHP研究所
- 発行日 2018年6月7日