洗面化粧台や、浴室の蛇口。あるいは、公園の水飲み場。
蛇口をひねると水がジャーッと出てくる様は、子どもにとても魅力的に移るようで、手を洗うだけでは終わらず、遊びに発展してしまうこともしばしば…
そんな困ったを解決してくれた絵本があります!
Contents
『もったいないばあさん』あらすじ
お皿の上の食べ残しに、お茶碗についたごはん粒。
僕がそのままにしていたら、どこからともなく「もったいなーい、もったいなーい」という声がしてきたよ。
正体は、もったいないばあさん。食べ残しも、ごはん粒も、全部きれいに平らげた。
ついでに、僕の口の周りについたごはん粒も…
ベロベロベローって、なめて食べちゃった!
「ギャー!!イヤだ~!」
歯磨きの時、お水を出しっぱなしにしていたら、またもや「もったいなーい」の声。
「コップ一杯で足りるだろう!」
もったいないばあさんは、そう言って僕を怒鳴った。
僕が怖くて泣きだしたら、
「おやおや、涙がもったいないよ」
だって。おっかないもったいないばあさん。
だけど、僕が捨てた紙を拾って、絵の具で色をつけて貼り合わせて恐竜を作ったり、短くなった色鉛筆を束にして虹色鉛筆を作ったり、たくさんのアイデアを教えてくれる。
やがて日が暮れて、僕が電気をつけたら、もったいないばあさんは…
『もったいないばあさん』をおススメしたい理由3点
そのケチケチ精神が、物で溢れている現代人にとっては逆に新鮮、かつ地球環境を守ることに繋がるという理由でもおススメしたい『もったいないばあさん』
子どもへのおススメポイントを3つ挙げます!
- 「もったいない」って何?言葉の意味がわかる
- 昔ながらの知恵と工夫から生まれる、新しい遊び
- 物を大切にする心が自然と育つ
「もったいない」って何?言葉の意味がわかる
「もったいないことしないで!」
日常の中で、何気なく子どもに言ってしまうこと、ありませんか?
言われた子どもは、これ以上叱られるのが嫌だから、大人しく「はい」と言うかもしれません。
でも…「もったいない」って、いったい何?どういうこと?
この絵本は、「もったいない」の言葉の意味を、お話の中でわかりやすく教えてくれます!
昔ながらの知恵と工夫から生まれる、新しい遊び
お話には、もったいないばあさんの知恵と工夫から生まれた、多くの遊びがありました。
みかんの皮を捨てずに乾燥させて、みかん風呂にして楽しむ…といったアイデアも!
お年寄りには珍しくもないことですが、入浴剤やバスボムがお馴染みとなっている現代っ子たちには、逆に新鮮に映るかもしれませんね。
核家族化が進んだ現代では、お年寄りと関わる機会も少なくなっています。
でも、おばあちゃんやおじいちゃんが持っている知恵は、生活の中で役に立つことばかり!
身の回りの「もったいない」に目を向け、もったいないばあさんのように工夫してみることで、生活の知恵も身に着けられるかもしれません。
物を大切にする心が自然と育つ
この絵本の、一番のおススメポイントはこれ!
「物を大切にしてね」と、いくら口を酸っぱくして言っても、子どもの心の奥底までは響いていないと感じていました。
けれど、「もったいないばあさん」が、ドアップで「もったいないことするんじゃなーい!!」と怒鳴っているのを見たら!
あまりの迫力に、きっと「もうもったいないことしないよ~!」と言うのではないでしょうか?
インパクトのある絵に印象的なシーンは、幼い子の心に残る絵本となるでしょう。
怖いから印象に残ってる、でもいい。もう少し大きくなったら、この絵本が言いたいこと「物を大切に」というのがわかる。そう確信できる絵本です。
『もったいないばあさん』読後の息子の反応
いくら言っても辞められなかった、蛇口での水遊び。
「もったいないばあさんが来るぞ~」と言えば、ぴたりと辞めます!
また、私が部屋の電気をつけっぱなしにしていると、「ママ、もったいな~い」だよ!と教えてくれます。
「もったいない」の意味がわかっているのかは不明ですが、蛇口遊びにはめちゃくちゃ効果があったので、同じ悩みを持っている方には超おススメ。
シリーズ化している!『もったいないばあさん』の世界
人気のある絵本はシリーズ化するのが常ですが、この『もったいないばあさん』も続編が多数刊行されています!
そうなんです。『もったいないばあさん』は、内容の素晴らしさから、英語のみならず、中国語(中国/台湾)、韓国語、タイ語にも翻訳され、世界で愛されています。
また、さまざまなメディアでも連載されている上、「もったいないばあさん」のキャラクターが出演するイベントも多数開催されているようです。
私はまだシリーズ1作目しか読んでませんが、偏食の多い息子には、ぜひ『もったいないばあさんいただきます』を読んで聞かせてやりたいです。
『もったいないばあさん』絵本データ
- 作・絵 真珠まりこ
- 出版社 講談社
- 発行日 2004年10月