お子さんの、一方的すぎる会話に悩んでいませんか?
息子の話が、自分勝手で一方的過ぎて、正直相手をするのにウンザリする!
自閉スペクトラム症(ASD)の子は、他人の顔色を窺ったり、空気を読むことがとても苦手。
加えて、自分の興味関心のあることには、まっしぐら!という性質を持つため、自分の好きな話ばかりを一方的に話続けてしまうと言います。
今回は、自閉スペクトラム症の子の会話力・コミュニケーション能力をUPさせるための方法を、息子の様子と共に考えていきます。
Contents
4歳~5歳時点での息子のコミュニケーション
2歳で3語文をしゃべりだしてから、順調に単語の数を増やしていった息子。
4歳半になる頃には、大人から「この年の子にしては語彙が豊富」「ちゃんと、文章でしゃべっている!」と驚かれることが多かったです。
見て、あのおひさまの光!まるで鏡のようにキラキラと輝いているよ!
ナニ、その詩的な表現は…!
日本語能力もたいしたもので、おかしな日本語を指摘し出したのもこの頃です。
例えば、我が家には、相田みつを的なこんな言葉を額に入れて飾ってあるのですが

この文章を読んだ息子は、「この文章おかしいよ」と言いました。
「生きている幸せを忘れている人がいる」じゃない?
確かに、「生きている幸せを忘れている人がある」なんて言い回し、一般的じゃないですものね。
日本語の細かな使い分けを、習得していることに、とても驚かされました。
その一方で、対人でのやりとりは、奇妙極まるものがありました。
「まるで鏡のように、キラキラ輝いているよ」なんて言い方も、絵本の文章をそのまま読んでいるみたい。現実的じゃないよね…

お気に入りのぬいぐるみとの間に作り上げた、自分だけの物語を、一方的に、延々と語り続けるのです。
目の前から人がいなくなっても、おかまいなし。
その様子は、まさに『ひとりごと』をブツブツ言っているかのよう…
保育園でもそんな調子でしたから、お友達からも「私にもわかる話をして」と言われたり、あからさまに避けられたり。
これはマズイ…なんとかしなきゃ!でもどうやって??
なぜ、一方的な会話になってしまうのか?

息子のように、自閉スペクトラム症の子が、一方的な会話になってしまうのは、なぜなのでしょうか?
推測できるつまずきの要因として、以下のようなことが考えられます。
- 相手の気持ちや、表情を読みとるのが苦手
- 会話の基本的なルールを理解していない
- 興味関心の偏り
要するに、『他者意識』の弱さが、大きな要因となっているのです。
一方的な会話への対処法

ここからは、息子の一方的な会話を改善するために、家庭で出来ることを考えてみました。
療育先の先生からのアドバイスもあって、目下実践中!
①他者の気持ちを代弁し、他の人の気持ちを伝える
相手の表情から、相手が今、どんな気持ちでいるのかを察することが難しい、自閉スペクトラム症。
そこで、一方的に話をし出したな~と感じ出したら、話を聞いている人はどんな気持ちになっているか、相手の気持ちを伝えるようにしています。
これは、一対一の時より、一対一での会話に介入して、第三者的な立場で解説をする方が気づきやすいかもしれません。


②会話の基本的なルールを教える
普通であれば、自然と身に付くはずの会話のやり方も、丁寧に教えてあげないとわからないのが自閉スペクトラム症。
- 話しかける時は、いきなり話始めるのではなく「〇〇ちゃん」「あのね」などと呼びかける
- 相手が話し始めたら、話を最後まで聞く。さえぎらない。
- 話題を変える時は「話してもいい?」と了解を得る
形式的ではありますが、ルールに落とし込むことで、コミュニケーションがスムーズになっていくことを期待します。
③一方的な会話が止まらない時
自分が話したいことを話終えるまで、ずっと話続けてしまうような時は、「話しても良い場所・時間」を決めます。
息子の場合、特にご飯を食べている時に、話が止まらないことが多いので、
- 食事中は、食事に集中する
- 食べ終わった後に、話を聞く
この2点を我が家のルールと決めています。
あまりにも長くなりそうな時は、砂時計やタイマーを使って、「この時間まで」というルールを作るのもいいかもしれませんね。
まとめ

自閉スペクトラム症の子の会話が、一方的になってしまう、根本的な要因には、他者意識の弱さがあります。
そのため、意識して働きかけを行う必要があります。
- 他者の気持ちを代弁し、気持ちを伝える
- 会話の基本的なルールを教える
- 話しても良い場所や時間を決める
これらの方法で、自分と他人は違うことと、他人が不快に感じない行動や会話のやり方を教えると良いという話でした。
かなり大変ですが、就学以降の友達関係を円滑にするためにも、根気強く教えていくしかありません。
いつかはわかる時がくることを信じて、働きかけていきたいです!