2019年4月、私は約9年間お世話になった職場を、退職しました。
産休~育休を取得後、職場へ復帰したものの、1年で退職という決断に至ったのには、さまざまな理由がありました。
- 私が職場復帰後、1年で退職という道を選んだのには、3つの理由があった。でも、環境を努力で変えられたかもしれない?
- 退職した今思うことと、正職員からパート職員へ、働き方を変えて見えてきたこと
- 出産後も正職員・フルタイム勤務で働き続けるには、職場の制度や風土も重要なポイント
Contents
職場復帰後、1年で退職という道を選んだ3つの理由
私が、育休を経て職場へ復帰した後、1年で退職という決断をしたのには、主に3つの理由があります。
- 残業をしなければこなせないほどの、業務量の多さ
- 突発的に休む時のフォロー体制が、職場にない
- もっと子どもと一緒にいる時間を作りたい
残業をしてもこなせないほどの、業務量の多さ
私は、学校の経理事務として働いていました。
主に立替経費の精算などの、小口現金管理、それから学納金の管理、奨学金制度利用者の管理が、私の仕事。
それが一変したのは、育休復帰後。
私の産休・育休中の仕事は、新たに雇った非常勤職員の方に引き継いだのですが、彼女が経理知識が豊富な方で。
私が復帰した直後から、手が回らないでいた経理業務や、経理業務外の仕事にまで手をつけて、仕事量が格段に増えてしまったのです!
そう。経理知識だけじゃなく、法律にも明るかった彼女は、うちの職場では総務課の仕事だった、取引先との契約書作成もやり始めてしまいました。
自然、契約書作成も、経理課の仕事としてスライドしてきてしまいました。
少数精鋭の職場では、出来る人がその業務を担当する。
そういう職場環境だったので、上司はこの状況を静観していました。
本来の仕事でなくても、契約書の作成は、知識のある彼女に任せ、知らんふり。…彼女の契約が、私が時短勤務を終了すると同時に切れることを知りながら。
彼女の仕事ぶりは勉強になることが多く、とても濃い時間を過ごさせて頂いたと思っています。
しかし、経理担当の人数が一時的に増えたことで、「あれもやれる、この仕事もやっておかなきゃ」と、どんどん仕事を抱え込み、やる範囲が広がり過ぎてしまいました。
いったん広げた仕事を、縮小することは困難でした。元の業務内容に戻せばいいだけなのですが、まわりの環境が許してはくれませんでした。
同じレベルの仕事量をこなすには、どう考えても人員補充が不可欠…
しかし、彼女が契約打ち切りで辞めるとなった時、上司は「これまで一人でこなしてた業務を、一定期間二人でやっていただけ。だから、辞めても人員補充はなし」としました。
これには、職場の風土が、おおいに関係あります。前職場は、
- 事務職員の数が少なく、ひとりひとりが専門職。だから、他人が抱えている仕事がわからない
- 上司は全員、生え抜き組。下積み経験がないから、部下の仕事がわからない
- 赤字続きで、経費を削る際は、真っ先に人件費を削る
職員が少ないから、総務課1名、経理課2名…と、ひとりひとりにかかる仕事の負担が、大きいのです。
上司は全員生え抜きで、どこかの学校の校長やら、畑違いの仕事をしていた人ばかり。下積みの経験がないので、部下の仕事内容をまったく把握していない。
経理課長ですら生え抜きでしたから、まるで全員が個人事業主の職場にいるようでした。
大企業では、総務部だけで何人も職員がいるでしょう。
誰かが休んでも、他の職員が仕事を肩代わり出来たりする。それが普通です。仕事はチームですから。
明らかに不平等な業務の割り振り。残業しても、ひとりではとてもこなせないような、業務量の多さ。
私は幼い子どもを抱える身です。保育園のお迎え、という時間的な制限もあるので、残業は出来ません。
それらのことを加味して、もう一度業務の割り振りを検討してもらいたいと訴えましたが、上司は全く理解してくれませんでした。
『出来ないじゃなく、やるんだよ。出来なかったら、辞めてもらうまでだ』
これは私に対してではなく、同じく業務過多で苦しんでいた先輩に、上司が言ったセリフです。
突発的に休んだ時のフォロー体制が、職場にない
突発的に休まなくてはならないことって、誰だってありますよね。
特に小さい子どもを抱えていると、病気や急な発熱で、保育園からしょっちゅう呼び出しをくらいます。
子どもの病気で休む、あるいは早退する。そんな事態が起こっても大丈夫なよう、周囲のフォローがある職場環境というのは、とても大事です。
『こちらの勝手で休んで迷惑かけているのに、周囲にフォローを強要するの?』
いいえ。そうではありません。
確かに、いくら子どもがいるからと言って、時短勤務を当然の権利として、周囲に感謝の気持ちもなく、大きな顔をしているのはどうかと思いますが、会社が本当に困るのは、仕事を抱えられたまま休まれることです。
突然休んでも大丈夫なよう、資料の保存先や取引先の連絡先を周囲に明示しておけ、それを受け入れてくれる職場であれば、大丈夫だと思います。
仕事は個人事業主…だった前職では、それが出来ませんでした。機密事項を扱う職種だったこともあり、休んだら、仕事だけが溜まっていくという、負のループ。
子どもと、もっと一緒にいる時間が欲しい
ママなら、誰もがそう思う理由ですね!
私は当時、月6の休み。土曜日も、隔週で仕事をしていました。
土曜日が仕事の週は、息子とじっくり向き合えるのは日曜の1日だけ。
しかも、翌週の家事がスムーズに行くよう、作り置きやまとめ買い、掃除…と、やることに追われて、ゆっくり遊ぶどころじゃない!
本来なら可愛い息子が、どんな成長をしているのか見ていたいのに、休日に考えることは「早くお昼寝してくれ~。出来るだけ長く寝てくれ~!」
ちなみに、夫も通常、土曜日勤務ありです。(場合によっては日曜日も)
月だいたい4~5日休み、平日午前様の時多数という超☆激務で、子どもの送り迎えなんてもってのほか、平日はほぼ子どもと顔を合わせません!
保育園にいる時間が長すぎて、誰が息子を育てているのか、わからなくなっていることに、疑問を感じ始めました。
子どもの成長は本当に早く、1か月の間に出来ることが増えている。
その時期を、仕事でいっぱいいっぱいになって、見てあげられないのは、心底もったいないと思いました。
努力で環境は変えられたのか?
職場の悪口みたいになってますが…私の努力不足もあると思います。私の努力で環境が変わったかも、と思うのは、以下の点です。
- 突発的に休んでも困らないように、仕事の内容を共有できるよう、上司や周囲に働きかける
- 仕事の棚卸をして、周囲に仕事内容を公開し、業務を切り売りする
ようは、もっと図々しく、周囲に助けを求めれば良かったのだと思います。
私が仕事を軽くしてほしいと伝えたのは、業務の割り振りをしている上司だけでした。
しかし、先輩や同僚にも状況を伝えていたら、何か変わっていたかもしれません。
根回しですね。
子どもは、私のプレイベートなことだから、それを理由にしちゃいけないよね」などと、変な遠慮はしない方が良かった。
本当に働き続けたかったら、また、職場も私を必要と思ってくれるなら、多少の融通はしてくれるものです。それが、信頼関係というものです。
でも私は、そんな努力をすることすら出来ないくらい、疲弊しきっていました…
退職して思うことと、正職員からパート職員へ。新しい働き方
前職を退職して、5か月。
「退職してよかった!!」と、心から思っています。
前職で、フルタイム勤務で働き続けることは、私にとっては大変すぎました。
退職後は、しばらく働くつもりはありませんでした。
子どもの保育園問題はありつつも、いざとなれば在宅ワークで開業届けを出す、という選択も視野に入れていたので、自分に合った働き方をゆっくり探すつもりでいたんです。
しかし、退職直前に知り合いから、週4日の事務系パートの仕事を紹介され、ほぼ間をあけることなく再就職となりました。
在宅ワークを考えていたので、また外で働いている自分に、時々「?」と思うこともありますが、仕事と子育てのいいバランスがとれていると感じています!
出産後もフルタイム勤務・正職員で働き続けるには、会社の制度と風土も重要
女性が、産休~育休を経て職場に復帰し、正職員、フルタイム勤務で働き続けるには、当人の強い意志もさることながら、職場の制度や、風土も重要になってきます。
育児休暇制度を利用し、復職したモデルケースがないような職場だと、幼い子どもがいて働くことに、周囲はなかなか理解を示してくれません。
私のいた職場では、まさにこれでした。
職場にいた、高校生と中学生、ふたりの子を持つ大先輩は、
「私の時なんて、育休制度がなかったから、産後すぐに復帰したわよ。あなた、ちょっと甘いんじゃないの?」
理解どころか、お叱りを受けてしまいました…
同じ女性で、子どもがいるからって、共感してもらえるとは限らないんです。
先輩のように、育休制度が使えなかった方だと、かえって反発されてしまいます。
育休制度を利用している女性と、その後職場に復帰して働き続けている女性が、どのくらいいるのか。ちゃんと確認してから就職するべきでしたね。