子どもに発達障害が疑われた時、病院で診断をしてもらった方がいいのでしょうか?
息子が2歳の時に発達の遅れを指摘され、療育に通い始めました。
4歳8か月の時、医師から『自閉スペクトラム症』という診断が下りました。

今回は、子どもの発達障害の診断にかかわることについて、記事にします。
- 診断は必要なものか
- 私が診断を受けようと思った理由
- 診断にあたり、準備したこと・心構え
- 診断のメリット・デメリット
発達障害の診断は必要か?

私の個人的な見解ですが、結論から言うと、診断は必ずしも必須ではありません。
他の子と違う側面があり、かなり怪しいグレーゾーンであっても、本人や周囲が困っていなければ、診断の必要はないと思います。
能力に偏りがあっても、他の能力でカバーできていれば、問題ないんです。
社会生活を送れるだけの対応力を備えていて、本人や周りもスムーズに日常を送れていればOKなんじゃない?
診断を検討するのは、本人および保護者が困りごとを抱えていて、日常生活に支障をきたしている場合。
あるいは、通っている幼稚園や保育園から、診断について打診された場合でいいと思います!
私が診断を受けようと思った理由
発達障害の診断を受けようと決意したのは、私自身が困っていたからです。

2歳後半で療育に通い始めた当初は、理解力が追い付いていないだけだと思っていました。
理解力が追い付けば、周りの子に合わせることが出来るんじゃないかって思っていたんだよね
療育でかかわり方を学びつつ、本人の成長を期待していましたが、日常での困り感はまったく減りませんでした。
次第に、「私の育て方が悪いのでは…」と、子育ての自信もどんどん失っていく有様。
むしろ、社会性が成長するにつれ、困り感が増えている…?
しかし、発達障害関連の本もたくさん読み漁った結果、これは息子の特性であって、成長どうこうの話ではないことを確信。
治らないのであれば、周りが息子に合わせるしかなく、そのためには正しい知識が必要だと判断し、診断に踏み切りました。
例えば、多動はADHD・自閉スペクトラム症、どちらにも見られますが、どちらがベースかで多動の種類が違い、対処法も異なります。
ADHD→衝動性がベース
自閉スペクトラム症→聴覚や視覚の感覚過敏から来る、不安がベース
就学後に、学校から必要はフォローを受けるためにも、今このタイミングでの診断が必要だと考えました。
診断前の心構え・準備・注意点

さあ、診断に行こう!と勇む前に読んでもらいたい、診断前の準備や心構えがあります。
注意してもらいたいこともあるので、必読!
心構え
診断される側のマインドが重要です!
診断は、決して軽いものではありません。
軽い気持ちで診断を受けに行って、診断が下りた時に必要以上にパニックになり、将来を悲観してしまう親御さんも多いと聞きます。
そのため、充分な心構えが必要になります。
不安をあおるだけの結果になると予想できるなら、診断を急ぐ必要はありません。
「今、診断が必要なタイミングか」
これを自分自身に問いかけた上で、病院に行くようにしましょう。
診断には、出来るなら家族の誰かと一緒の方が心強いです。
診断は、子どもにとっての一大事。重たいと感じる荷物なら、誰かと分け合うのが一番!
準備
お子さまのこれまでの成育歴や、現在の困り間などを、医師に説明できるように整理しておきましょう。
場合によっては、保育園の先生にも協力してもらい、園での様子も説明できるといいですね。
すでに療育に通われている場合には、療育先の様子も話せるといいです。
叶うなら、関係各所の様子は、書面で手に入れておくと、医師への報告がスムーズですよ。
注意点
児童精神科医の数が少ないのもあり、診断できる病院は限られているのが現状。
半年~1年先まで、予約がいっぱいという病院も多いです。
初診ですぐに診断が下りるケースは稀で、問診や発達検査を経て診断が下ります。
息子の場合も、予約から正式な診断が出るまで、半年かかったよ!
- 予約がいっぱいで、初診までかなり待たされる
- 初診から、診断が下りるまでも時間がかかる
このことを考慮した上で、診断のタイミングを検討しましょう!
【子どもの発達障害】診断のメリット・デメリット

ここでは、一般に言われている、発達障害の診断のメリットとデメリットを挙げてみます。
【メリット】
・本人の困り感を周囲が共有でき、支援を受けやすくなる
・親の子育て劣等感が緩和される
・子どもを責める気持ちが和らぐ
・環境を整えることで、いじめなどの二次障害を予防できる
発達障害児は、生まれつきの脳の機能障害によって、他の子が当たり前に出来ることが出来なかったり、何倍もの努力が必要なことがあります。
診断により、本人の努力不足ではないことが明らかになることで、環境に配慮してもらったり、適切な支援が受けやすくなります。
親も、「育て方が悪い」と自分を責めることもなくなり、心理的負担が和らぐでしょう。
でも、メリットばかりじゃないのも事実…
【デメリット】
・子どもの将来に対する不安
・障害者差別を受けることもある
・いじめやからかいの対象になる可能性がある
診断がつくことで、子どもの将来に希望を持てなくなる恐れがあります。
特に、結婚や就職に関する不安は、尽きないかもしれません。
発達障害ということで、「こういう子だろう」と決めつけられたり、偏見から差別を受けることも少なくありません。
でも、診断結果を周りにカミングアウトするのは、また別の問題だから
診断結果を周囲に公表せず、対策を考えるという手もあります。
診断後の心境

診断後は、靄が晴れたようにスッキリした気持ちになりました!
私の育て方の問題じゃなかったんだ…!
私は、今までずっと、子育てが楽しくありませんでした。
- 子育ての正攻法が通じない
- 育児書がまったく参考にならない
- ママ友に共感できない
- 辛くて苦しいのに、誰にも言えない孤独感
特に、2歳代。イヤイヤ期の悩みなど、ママ友と話していても、違和感しかありませんでした。
イヤイヤ期で、全部イヤって言うの。着替えしないって駄々こねられると、大変よね~
……(え。うちの子、目すら合わないけど?私に意識向かないんだけど)
悩みの質が、まったく違っていたんです。
でも、当時は違和感を覚えながらも、イヤイヤ期の行動のひとつだと思っていました。
少しずつ勉強していく中で、普通の子どもとは違うことに気づいていきました。
しかし、診断がつかない状況だと、辛いと声に出して言うことも憚れました。
生半可な相談をしても、たいてい「男の子なんてそんなものよ」で片付けられてしまいます。
うちの子、動きまくってて、目が離せないの。多動じゃないかな?椅子に座ることもできないの!
男の子なんてそんなもんよ。うちも外ではずっと走り回ってるわよ。おんなじ、おんなじ。
………(これは多動とは言わないと思う)
診断が出たことで、息子のこれまでの行動がつながり、腑に落ちました。
同時に、苦しかったことを大っぴらに言える!という気持ちにもなりました。
だって、本当に、一般のママさんが行ってこなかった工夫と手間を、いっぱいかけていたんですから。
普通なら通じることも通じないし、誤学習や認知のゆがみもあるし、自然に学べないし…
子育ての悩みは人それぞれ。
比べられるものでもないし、比べちゃいけないのですが、少なくとも「ダメな母親」だと、自分でつけてしまったレッテルだけは剥がせそうです。
息子の将来や、今後のことで考えることは山程ありますが、少なくとも診断は、私にとっては良い結果になりました。
いい意味で、腹を括った感じ♪
まとめ
今回は、子どもの発達障害の診断という、センシティブな内容を取り上げました。
あくまでも個人的な見解と感想になります。
発達障害児の対応に、誰にでも合う特定の「正解」はありません。
子どもにとって、本当に望ましい対応を行うためには、障害の一般的な特性と、子ども自身の個性、双方を理解する必要があります。
診断は、そのためのひとつの「ツール」に過ぎないのです。
専門家の目を通して子どもを見て貰い、どのような対応をすべきか相談しながら、自分たちによい方法を探すのは、とても良いことだと思います。
診断が、自分たちにとってメリットになるか、デメリットになるかは、気持ちの持ち方次第です。
デメリットを完全に消せはしませんが、メリットの方が多かった!と思えるような心境になれるといいですね。
同じ悩みを持つ方の参考になれば嬉しいな♪
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