STAY HOME週間に入り、家で絵本を読む時間がたっぷり出来ました。
紹介する絵本は、購入以来、何度もリピートして読んでいるのに、読み始めたら読み終わるのに30分はかかる、読み手泣かせの1冊です。
文章が長くて、読むのが大変なのではありません。
文章は最小限なのに、子どもが自分で発見したことを、いっぱい教えてくれる絵本。
何度読んでも、毎回新たな発見がある『100かいだてのいえ』をご紹介します!
Contents
『100かいだてのいえ』あらすじ
主人公のトチくんは、ある日手紙をもらいました。
「ぼくは100かいだてのいえのてっぺんに住んでいます。あそびにきてください」
100かいだてのいえに辿りついたトチくんは、おそるおそる扉を開きます。
出迎えてくれたのは、ネズミさん一家。1階、2階、3階…10階まで登って、扉を開けると、次はリスさんたちが住んでいました。
どうやら、10階ごとに違う動物が住んでいる、100かいだてのいえ。
登っていったら、どんな動物に会えるのでしょう?
『100かいだてのいえ』の3つの魅力
発売以来版を重ねる、大ベストセラー『100かいだてのいえ』。その魅力を3つご紹介します。
- 10種類の生物の生態や、暮らしがわかる
- 文字を読まなくても、絵から想像してお話が広がる
- 子どもが自然と数に親しめる
①10種類の生物の生態や、暮らしがわかる
100かいだてのいえは、10階ごとに違う動物が暮らしています。
10種類の生き物たちが、どんなところで暮らしているのか、何を食べているのかを見ることができます。
たとえば、21階から30階に住んでいるカエルの部屋には、雨が降っています。
大人はすぐに、カエルは水辺に住んでいるから、と理解できますが、子どもは「初めて知った!」となるかもしれません。
テントウムシは、何やらミドリの虫を茹でていて、子どもはそれが彼らの主食だと知るでしょう。
図鑑のように肩肘はらずに、自然と生き物について学べますよ!
②文字を読まなくても、絵から想像して話が広がる
100かいだてのいえの100部屋は、どれもが個性的。生き物たちがやっていることも面白くて、ワクワクします。
100ある部屋は、細部にわたって丁寧に描かれているのに対して、文字は控えめ…。
それなのに、子どもの口からは「ネズミさん、○○しているね!」「この部屋みずたまもようだよ~!」といった言葉が次々に飛び出してきます。
絵から想像して、子どもから積極的に気づいたことを話してくれるのが、この絵本の素晴らしいところです。
しかも、毎回読むたびに、子どもが新たな発見をする!
細かいところをじっくり、注意深く観察したいという、子どもの心理をうまく突いている絵本だなと思います。
③子どもが自然と数に親しめる
100かいだてのいえは、1階から100階まで、トチくんが順番に登っていくお話。
だから、1から100までの数が、自然と数えられるようになります。
作者のいわいとしおさんは、小学校で算数を習い始めた娘さんが、数字を数えることにつまずいていたことをきっかけに、この絵本のアイデアが浮かんだと言います。
十進法がわかっていないと、数字は永遠に数えなきゃいけません。
でも、見開きで10個の部屋があって、ページをめくるたびに10が20になって、20が30になれば…
子どもの「困った!」をどう解決したらいいか、いわいさん自身が体験したからこそ出来た絵本なんですね!
『100かいだてのいえ』から生まれたすうじかるた
絵本『100かいだてのいえ』から生まれた、すうじで遊べるかるたがあるってご存知ですか?
ひらがなの代わりにすうじで取るかるたです。
絵本に合わせて、100枚の取り札と読み札が入っています。
かるたの他にも、すうじで遊べるゲームがたくさん収録されているようです。
『100かいだてのいえ』まとめ
ただ眺めているだけでワクワクしてくる『100かいだてのいえ』。
大好評につき、続編も次々に刊行されました。ちか・うみ・そら…と現在までに合わせて4冊発行されています。
子どもの食いつきが良かったら、ぜひ続編の購入も検討してみてくださいね!
『100かいだてのいえ』絵本データ
- 作・絵 いわいとしお
- 出版社 偕成社
- 発行日 2008年5月1日