2021年夏、アメリカで大きな話題を呼んだセミがいます。
『周期ゼミ』と呼ばれるそのセミは、13年あるいは17年ごとに大量発生し、周辺の木はセミで覆われてしまいます。
その数、およそ数十億匹。
数十億匹⁉
いったいなぜ、普通のセミと違って、13年や17年といった周期で、大量発生しているのでしょうか?
『素数ゼミの謎』は、この謎に迫った、ドキュメンタリーであり、ミステリでもある、科学読み物です。
全ページカラーの絵本仕様なので、子どもでも読みやすく、読書感想文におすすめの1冊なんですよ!
『素数ゼミの謎』について、ご紹介します♡
- 小学校の読書感想文の本を探している
- 素数ゼミについて知りたい
- 科学や算数に興味がある
- 謎やミステリが好き
Contents
素数ゼミって?

『素数ゼミ』は、毎世代17年または13年で成虫になり、大量発生するセミのことで、俗に周期ゼミと言われています。
これらのセミは、世界中で北アメリカのみでしか見られないという特徴があります。
周期年数が素数であることから、著者の吉村仁さんは、『素数ゼミ』と名付けました。
この素数が、後々大きな意味を持ってくるよ!
『素数ゼミの謎』おすすめポイント
セミという、マニアックな題材の本書。
一見すると、昆虫や、科学に興味のある、一部の人しか手に取らなそう、と思うかもしれません。
それは大きな間違い!一般の人でも、かなり楽しめる内容なの!
それでは、『素数ゼミの謎』のおススメポイントを3点、ご紹介します。
- 全ページカラーの絵本仕様
- ミステリ仕立てで、謎解きを堪能できる
- 自然と数学の不思議な結びつきとロマン
①全ページカラーの絵本
『素数ゼミの謎』は、著者初の一般向けの本です。
イラストがふんだんに使われていて、専門的な言葉がほとんどなく、誰でも読めるような平易な文章で書かれています。
早い子では、小3・4年くらいから読むことが出来るでしょう。
実際に、小学校での読書感想文で選ばれることも多いみたいだよ!
科学や昆虫になじみのない方でもとっつきやすく、入りやすいので、親子で一緒に楽しめます。
全ページカラーの絵本になっていて、小学校中学年から読める。読書感想文にも最適な、親子で楽しめる1冊。
②ミステリ仕立てで、謎解きを堪能できる
この素数ゼミには、多くの謎があります。
その中でも、本書は
- なぜ、こんなに長い年月をかけて成虫になるのか
- なぜ、こんなにいっぺんに、同じ場所で大量発生するのか
- なぜ、13年と17年という周期なのか
について迫っています。
その謎に対し、
- 著者がどうして疑問に思ったのか
- 疑問に対し、どうアプローチしていったのか
- 仮説の立て方、立てた仮説の立証
が、順を追って書かれているので、まるでミステリー小説で謎解きをしているかのような気持ちにさせられます。
単なる論文、解説書に終わらせず、著者の情熱が伝わる、壮大な進化の物語として楽しめる点も、魅力のひとつです。
謎解きは、まるでミステリ小説。著者が仮説から証明していくプロセスを読むことで、論理的思考が磨かれる!
③自然と数学の不思議な結びつきとロマン
この本の、キーワードである、『素数』。
周期ゼミが、古代から現代まで、滅びることなく生き延びている鍵は、13年と17年という、『素数』という数字だったのです。
14年でも、16年もダメ。
なぜ、13年と17年でなくてはならないのか――?
最大の謎について、鮮やかな論理が展開されているよ!思わず、「なるほど!」って膝を叩いてしまう!
生物の進化と、数学は、絶妙に結びついている。
まるで神様が仕組んだかのような、巧妙な仕掛けに、ロマンチックな気持ちになりますよ!
算数好きの子も、そうでない子も、この謎の答えが明かされた時、自然と数学の奇跡に、感動するでしょう!
大自然の奇跡の前では、人間ってちっぽけな存在って思っちゃう
自然と数学が織り成す、奇跡を目の当たりにできる。壮大なロマンに浸れる!
なぜ?と疑問を持つことの大切さ
著者が、素数ゼミの謎に迫ることが出来たのは、普段から生き物に対して「なぜ?」と疑問を持っているからです。
- なぜ、あんな進化をしているのだろう?
- なぜ、こんな行動をしているのだろう?
「なぜ?」が、科学の一番の醍醐味であって、面白さだと、本書は教えてくれます。
「なぜ?」は、全ての学びの原動力。
勉強の本当の意味を子どもたちに教え、知的好奇心を刺激する、おススメの本です!
素数ゼミに興味を持ったら
同じ著者による、『素数ゼミの秘密に迫る!』で、より深く、素数ゼミについて知ることができます。
『素数ゼミの謎』が、子どもから大人まで、万人受けする内容だったのに対し、こちらは専門用語も多く、明らかな大人向け。
実際の素数ゼミの写真も多いので、虫が苦手な人は「うっ…」となってしまうかもしれません。
でも、こちらも面白いので、興味があるなら、ぜひ読んで欲しいな♡
小学生がこの本を読むのはキツイので、小学生がひとり読みするなら、この本がおススメ!
言わずと知れた、ファーブル昆虫記!
素数ゼミではありませんが、いろんな昆虫の不思議な生態について、「なぜ?」と追及し、観察した、名作中の名作。
この本は、小学生でもとっつきやすいですよ!
素数ゼミも、ファーブルも、子どもの知的好奇心をくすぐるから、一度読んでみるべし!
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